夢中

一周回って戻ってきた、息子のポケモンカード。

最初は、ただ集めるだけで楽しかった。

やがてゲームの面白さを覚え
大会に出ることを目標にしはじめる。

それでも、デジタルゲームの誘惑は強くて
部屋の隙間から
置き去りになったカードを見つけた日もある。

少し寂しそうに見えたカードたち。

何のきっかけか、不要なカードを整理して
“一軍” と “ベンチ” だけを残した。

小さな一歩を踏み出し、大会へ。

大人に混じって、真剣な眼差し。
頭はフル回転。

そのうち
たまに行けなくなっていた学校にも
いつの間にか
毎日行けるようになった。

夢中になれるものがある。
それは、前へ進むための確かな力。

息子の「好き」が、今日もそっと背中を押している。

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