秋に咲いた紫陽花。
季節を外れて、静かに花を開いていた。
それは偶然だったのか。
それとも、はじめから決まっていたことなのか。
ただひとつ言えるのは
咲ける条件が揃ったから、花は咲いたということ。
人生も、きっと同じ。
早く咲く人もいれば、遅く咲く人もいる。
思いがけない形で咲く人だっている。
大事なのは、咲く速さでも、形の美しさでもない。
自分のタイミングで、自分の花を咲かせられること。
だから、咲かないと嘆くよりも
その時を迎えるための条件を
少しずつ探してみること。
「季節を外れて咲くことに、意味はあるの?」
そう問いかけた私に
紫陽花は静かに答えた。
「咲くことは、決まっていたことだから」

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