コトバ– category –

「イヤなことを避けて生きてきました」 その言葉に思わず驚いた。 でも、よく考えればそれはそれで幸せな歩みなのかもしれない。 イヤなことを避けられる力。そう感じら...

肉眼で見ているものと心で見ているものはちがう。 心の眼は都合よく飾らずただ、ありのままを映す。 けれどその前に立ちはだかるものがある。 立ちはだかるものに向き合...

若い頃地下鉄の中吊り広告で見た言葉。 そのあと、しばらくして夜が明けた。 年月が流れ日はまた沈んだ。 そして今夜は明けたと感じる。 明けない夜などない。 長い夜を...

学祭から娘が持ち帰ったぬいぐるみ。美術部の友達の手仕事。 名前は「アヒージョ」アヒル女子からの響き。 勝手に髪を編みワイルドになったアヒージョに喜ぶ娘。 ナーベ...

白亜の壁は朝の光を受けてまぶしいほどに輝く。 夜の訪れとともに青と金が浮かび上がり静かな影が寄り添う。 磨かれた床はまるで水面のよう。建物の光が幻想的に映え人...

遠くに汽笛の響く　港のそば。ジャンボジェットのエンジン音が届く　海岸沿い。路線の違う電車の音が交差する　街の建物。 カタン、コトン。生活と共にある、乗り物の音...

秋に咲いた紫陽花。季節を外れて、静かに花を開いていた。 それは偶然だったのか。それとも、はじめから決まっていたことなのか。 ただひとつ言えるのは咲ける条件が揃...

人生には決まったペースメーカーなんていない。 でもふいに誰かが目の前に現れて少し背中を押してくれることがある。 その人の話を聞いて心が動いたことを、ひとつだけ...

ずっと手放せなかったもの。 大切だったからじゃない。 「手放してはいけない」そう勝手に思い込んでいただけ。 時が巡り自分を赦せるようになったとき ひとつずつ、ひ...

水面に映る自分夜の車窓に映る自分美容室の鏡に映る自分 どれも同じ姿だけれど鏡はその時の心も映す。 鏡の前では少しでも良く見せようとするけれど鏡のないところでは...