詩– category –
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詩
蛍のお祭り
主なき庭の外灯の灯り まるで蛍の光の塔 その塔を囲う猫じゃらしたちは 宙を舞う蛍の群れのよう 光の塔に照らされて 儚い命の灯火を燃やしている -
詩
天主の鼓動
一度は廃れ眠りに就きし城も百年の節目に甦りぬ 「清洲会議」の声はまた新たな石垣に宿り静かに時を見守る 天主にて打ちし太鼓は過去と今を結び未来へと鳴り響く 見下ろ... -
詩
魂のパス
ひとつのメッセージ。けれど、答えは見つからない。 しばらくして届いた別の誰かからの映像。ただ、ぼんやりと眺めていた。 古い映像を観ているとふと記憶が蘇る。 ずっ... -
詩
出会いに宿る疑問符
なぜ出会ったのだろう。 なぜこの時だったのだろう。 コップの水が溢れてしまったから? やっと順番が回ってきたから? それとも…神様の小さなイタズラ? 人やモノに出... -
詩
空のレシピ
とろりとした 半熟卵のような夕焼け空。 火加減で決まる卵の色。 雲の重なりで変わる空の色。 数分で色味が違う 半熟卵と夕焼け空。 移ろいやすい季節の味わい。 -
詩
光の果実
夜の訪れとともに 静かに実を結ぶ 一等星のような輝き。 朝が近づけば 星は少しずつ遠ざかる。 夜にだけ実る果実。 -
詩
挨拶
一年ぶりに会う友。 帰ってきたよ。 元気だよ。 今年も暑いよ、そっちはどうだい? 頑張ってるからさ、見ててくれよ。 夕暮れ時は風が少し涼しくなったな。 空に染まる... -
詩
足りないもの探し
曲線 色 光 音 風 匂い そして、人。 あるものは… 思い出。 -
詩
未来
久しぶりに車を走らせる。窓の外に完成した歩道橋が見えた。 その横では、次の工事が始まっている。 流れる景色の中で未来は止まらず動き続けていることを感じる。 毎日... -
詩
雨
夏の雨。 雨上がりのアスファルトの匂い。 古代からその黒い光は眠る者を守ってきた。 もしも私がミイラだったなら、この匂いに懐かしさを覚えても不思議じゃない。 雨...
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